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【日本経済をボロボロにする人々】という、すごく理論的で読みやすく、勉強になるBlogが有ります。
MIKAはこのBlog主さんの文章がとっても好きです。
なので、ほぼ毎日覗きに行っていますが、そこで下の記事を見つけて、思わず声を上げて万歳しちゃいました。
高木義明文部科学相が閣議後の記者会見で高速増殖炉もんじゅの開発の中止を決定したようだ。
菅総理の暴走によって再生可能エネルギー普及の促進や脱原発の流れの中では当然の結果と言えば当然だ。
この原発村の残した危険な遺物はいろんな意味で原発を危険に晒すことになる。
福島第一原発の4号機が停止中にも関わらず水素爆発を起こしたのを見ても分かる通り、核燃料サイクルを実現させるために燃料貯蔵プールに使用済み核燃料を保存しておく必要がある。
そしてこれは他の停止中の原発にまで危険を及ぼすことにもなっている。
ドライキャスクというもので使用済み核燃料を保管しておけば停止中なのに水素爆発を引き起こすリスクを無くせるのを、非効率で核燃料サイクルになっているとも思えない不安定なプルサーマルや、錬金術の夢を与える非常に危険な高速増殖炉のためになかなか変わることができずにいた。
それが福島第一原発の4号機の悲劇だ。
高速増殖炉はナトリウムという単体の液体金属を使うのが難点である。まずこれを熱して水を水蒸気にしてタービンを回す。そしてもしこれがうまく行けば、ウランの可採年数が2000~3000年になる。と、これだけ聞けば凄い話に聞こえるかもしれないが、以前に何度も説明した通り、単体のナトリウムと水は爆発的な反応を引き起こすのである。しかも伝熱効率を高めるために配管をどうしても厚くすることが困難で、当然安全に支障をきたすことになる。ようするに、この発電システムは化学的にも物理的にもリスクだけ高くて実現はほぼ不可能だということだ。
今回の閣議決定は原発村には衝撃だったかもしれないが、実現不可能で税金を垂れ流し続けながら研究を続け、なおかつ官僚の天下り先として機能していた究極の無駄が終わりを告げるのは必然の話である。そしてこの愚かな研究をやめればドライキャスクを使えるようになり、更に再利用のためのMOX燃料工場も必要なくなる。
菅総理は主張がブレるためにあまりいい印象はないが、脱原発に対する姿勢だけは経緯を評したいと思う。
原発村の多い自民党も高速増殖炉もんじゅの開発中止を批判はできないだろうし、タイミングとしてはこれ以上のものはない。すでに1兆円近くつぎ込んでしまった官僚の天下り資産である高速増殖炉は、リスクを考慮すると実現はほぼ無理なのは科学者なら誰もが認めるところであり、開発中止の決断はこの負の遺産をダラダラと承認してきた自民党では不可能だった英断だろう。
民主党が政権を取ってから菅が総理大臣になって唯一(?)良かったと思える出来事で、この決断は核燃料再処理費用の12.6兆円の積立を、核燃料の処分費用に使うこともできるようになる。そして停止中の原子炉まで危険に晒す貯蔵方法をとる必要もなくなる。
中間貯蔵施設は最終処分処理施設候補がない以上は作らざるを得ないが、この決定は今後とも膨れ上がっていたかもしれない核燃料再処理費用を減らすことにつながり、未来への負債を増やさない方向に舵を切っているのだけは間違いない。
管さんがどんなに問題が有ろうとも、この決断は評価すべきだよね。
結果的に、なにも出来なかった鳩山さんや原発村ともたれ合っていて、未だに原発推進だと言っている自民党の議員なんかより全然良かったじゃん。
鳩山さんが「詐欺師だ!」とか「ペテン師だ!」なんて菅さんの事を言ってたけど、一般の国民が見てても滑稽だったよね。
「あんたが言えるの?」「自分の事、棚に上げすぎじゃない?」と思ったもん。
いやぁ、なんにしてもひさびさに実のある良いニュースです。
・・・と、思ったら、福井県の知事に抗議されて腰折れちゃったみたいね。
やっぱり子供の年間被曝は20ミリシーベルでいいとか言ってる高木さんじゃまともな判断はできないみたいね。
あの人、大臣職から降ろしたほうがいいと思う。
福井知事が文科相に電話抗議 「もんじゅ中止検討発言は問題だ」
2011.7.15 13:47
高速増殖炉原型炉「もんじゅ」が立地する福井県の西川一誠知事は15日、同県敦賀市内で記者団に対し、高木文部科学相へ電話で「もんじゅの開発中止ともとれる発言は、問題だ」と抗議したことを明かした。
高木文科相は「地元の思いを踏みにじるようなことは全く言っていない」と釈明したという…
福島県はもんじゅ計画が無くなると、原発関連の財源が減るからゴネてるのよね。
あの施設がどれだけこの国を危険にさらしているのか?
西川知事って、どれくらい理解してるのかしら?
金に目がくらんでまともな判断能力を失っているとしか思えないし、そこから抗議されて発言の火消しに走る文科大臣も底がしれてる気がします。
小学生のお母さん達の抗議には、感情の無い能面のような顔で門前払いするくせに、この対応の違いに人としての本性を垣間見ちゃうよね。
未分類 | trackback(0) | comment(5) |
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comment
レスありがとうございます
おそらく今回の事態を引き起こしたのは
まずは発電所を管理する側の組織的な問題だと思いますよ
(電力会社、保安委員も含めて)
わたしは決して原発反対というわけではありませんでしたが
東海村の事故がおきたあたりから、発電所を運営する組織にはかなり疑念を抱いていました
地震後の対応とか見ても、国民に不信感を抱かれても仕方ないと思います
代替エネルギーの話はそれとは別ですが
原子炉を完全に廃止するにせよ一部だけ残すにせよ
菅首相の行動は、原発50%シェアへの拡大路線から縮小に向かう方向転換の第一歩を踏み出したと思います
ただし、それがどういう道筋で最終的にどのようなプランになるのかわからないことが
事態を不透明にしてしまっています
本当に全て原発をなくしてしまうつもりなのか
それとも究極の目標をかかげながらも途中である程度妥協するつもりなのか
菅首相以外の閣僚はそれぞれどういう考えなのか
また後継者の路線は?
という点でまったく不透明です
(もんじゅの件もすぐ撤回されたように)
ちなみに武田先生は安全な原発なら残すべきという考えのようです
Mikaさんは(現実的な経過も含めて)どのようにお考えですか?
2011/07/18 20:00 | hiro [ 編集 ]
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2011/07/19 23:39 | [ 編集 ]
hiro さんへ
脱原発を段階的に進めていく事は、もはや首相が代わっても政権党が代わっても避けようが無いでしょう。
原発無くても電力が余ってしまっている事は東電の新社長もゲロっちゃいましたしね。
結局、小出さんたちが以前から指摘してたとおりの結果です。
> ちなみに武田先生は安全な原発なら残すべきという考えのようです
>
> Mikaさんは(現実的な経過も含めて)どのようにお考えですか?
私としては、今すぐ原発は全廃しても良い気がしてきましたが、そこで働いている人たちも居ますし、核燃料税や交付金を当てにして財政運営している立地自治体の反発もあるでしょう・・・。
まあ、電力量の問題と言うより、そういった政治的な理由で段階的廃止になっていくのではないでしょうか?
2011/07/24 02:52 | MIKA [ 編集 ]
武田邦彦先生は原子力安全委員会で日本の原子力発電はどんなことがあっても絶対に安全だと強く主張し続けてきた人です。日本の原子力発電は軽水炉でよかったですねえ、軽水炉は事実安全なんですよ、ただ、安全なのは事実なんですが、国民が勝手に危険なものと思い込んでいる、日本の原子力は安全だということをわかってもらう努力が必要なのだと思います…とずっと言い続けてきました。
しかし、小出裕章先生が主張する原発を今すぐ全廃しても大丈夫というのは間違いです。小出先生は発電総量さえ足りていれば電力供給は間に合うかのような説明、つまり、電気を倉庫に積んでおいたり佐川急便のトラックで運んだりできるような物体であるかのような説明をしています。しかし実際はそうではありません。電気は一過性の現象にすぎないわけで、しかも金属線を伝わるしかないんです。しかも金属は電気をよく通すと言っても限界があり、電気抵抗やリアクタンスがあるため一度にいくらでも通せるわけではないんです。今すぐ原子力発電所を全廃して火力に切り替えれば、電気の発生場所と消費場所の偏りがひどくなってそれをまったく埋められないまま電線が焼き切れたり家電の誤動作や火災などが多発するだけです。
また、原子力発電に用いる核燃料のうち35%がロシアの核弾頭を処分するときに出る廃棄物で賄われているのです。原子力発電を今すぐ止めるということは、ロシアの核弾頭処分をストップさせることにほかなりません。核兵器廃絶の日程が大幅に遅れることになります。一貫して日本の核兵器保有を主張してきた大阪の橋下知事が脱原発を言い出したのも、ロシアの核弾頭を原子力発電所の燃料に転用するのはやめてロシアから核弾頭を購入して配備せよということなんです。こんなことが実現していいはずがありません。
だから、原子力発電所は現実的には少しずつ廃止していくしかないんです。
2011/09/18 19:59 | [ 編集 ]
名無しさんへ
現実をちゃんと認識できない人って、本当に居るんですね。
文面を読んでその理解力の無さに驚かされます。
> 日本の原子力発電は軽水炉でよかったですねえ、軽水炉は事実安全なんですよ、ただ、安全なのは事実なんですが、国民が勝手に危険なものと思い込んでいる、日本の原子力は安全だということをわかってもらう努力が必要なのだと思います…とずっと言い続けてきました。
日本の現状をちゃんと理解してますか?
チェルノブイリのような黒鉛減速沸騰軽水圧力管型が危険で、軽水炉型のマークⅠは安全なんて本気で書いているなら、お話になりません。
結果的に放射性物質の放出量も収束期間も福島原発の事故は、チェルノブイリ原発事故を上回っています。
事故によって即死者が出てないから安全なんて、勝間和代みたいな理屈を持ち出すようなら、放射能障害のことを理解していない人だとしか思えませんね。
>しかも金属線を伝わるしかないんです。しかも金属は電気をよく通すと言っても限界があり、電気抵抗やリアクタンスがあるため一度にいくらでも通せるわけではないんです。
この理屈もおかしな事を書いていますよね。
福島原発から200km以上を送電していて、事故が起こらなければ青森から600Km以上を送電する計画があったのをご存知ですか?
電気抵抗の話をするのなら、なおさら原発なんて止めた方が効率的です。
スマートグリッドの考え方は本来この電気抵抗による電力ロスを減らすために進めようとしているのですから。
>今すぐ原子力発電所を全廃して火力に切り替えれば、電気の発生場所と消費場所の偏りがひどくなってそれをまったく埋められないまま電線が焼き切れたり家電の誤動作や火災などが多発するだけです。
いやいや、現状の原発稼働率を考えてもそんな事はありませんよ。
ご安心下さい。
夏場の電力消費のピーク時でない限り、フル稼働して送電しているわけではありません。
おかしな理屈で原発推進擁護をするのは止めましょう。
ソ連の核弾頭廃絶の話と日本の原発燃料の話はまったく別問題です。
ソ連の核弾頭処分を日本がやらなければならない義務などまったくありません。
橋本知事の話もあまりに眉唾ですよ。
一知事が個人的な思惑で日本が核武装できるほど、世の中は単純ではありません。
ご自身が書いている内容が、支離滅裂な事に気付いた方が良いと思います。
なんにしても、これから40年間も実用化のめどが立たない『もんじゅ』の開発など税金の無駄遣いとしか言いようがありません。
潮流発電など、他の発電システムの開発に同じ額の予算をつければ、もっと早い段階で安全で安定した電力の確保が見込めると思いますよ。
原発は20世紀のテクノロジーなのです。
時代遅れな技術である事に気付くべきではないでしょうか?
2011/09/20 05:15 | MIKA [ 編集 ]
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